剣道の試合では、竹刀が打突部位に当たっただけでは有効打突にはなりません。
有効打突となるためにはいくつかの要件がありますが、中でも重要なのが残心です。
残心って、一般的なスポーツにはない考え方だからよくわかりません!
簡単に言うと、技を出した後も相手から意識をそらさないということだよ!
「残心のない技は一本と認められない」ということからも、剣道を学ぶ上で残心はとても重要な要素です。
ということで、今回は剣道の残心についてご紹介していきます。
この記事はこんな方におすすめ
・初めて剣道部の顧問になった
・剣道初心者の中学生・高校生
・残心について知りたい
剣道の残心とは?
剣道の残心とは、「打突をした後に油断せず、相手のどんな反撃にも対応できるような気構えと身構えを示すこと」とされています。
参考:中学校部活動における剣道指導の手引き(全日本剣道連盟)
また、全日本剣道連盟が発行している『剣道指導要領』によると、上記に加えて「打突の際に、少しも心を残さず全力で打ち込むこと」という記述があります。
以上のことから、剣道の残心には次の2種類の残心があります。
- 打った後の残心・・・技を出した後も、油断せずに相手の反撃に備えること
- 打った瞬間の残心・・・一つの技を全力で出し切り、その場で決め切ること
剣道の試合規則の中で、試合の有効打突は「残心あるもの」と明確に記されています。
自分が出した技が正確に打突部位を捉えたとしても、上記のような残心がなければ一本とは認められません。
打った後の残心
打った後の残心は、自分が技を出した際に、「相手に対して心を残すこと」を指します。
相手に対して心を残すためには、「正しい動作と心構え」が重要となります。
それぞれ、動作と心構えについて、正しい残心の取り方を紹介します。
打った後の残心の動作
打った後の残心の正しい動作は次の通りです。
- 相手の横を通り抜け(引き技の場合は素早く後退)、相手と適切な間合いを取る
- 相手に向かって正対(体をまっすぐ向ける)する
- 竹刀を相手に向ける
このように、技を打った後も次の動作に備えて体勢を整えることが正しい残心の方法です。
中学生や高校生の試合を見ると、打突後に過度に飛び跳ねたり竹刀を振り上げる動作をする選手がいます。
しかし、「残心の正しい動作」を踏まえて考えると、過度な動作には残心の意味が備わっている訳ではないと言えます。
過度な動作で自分の技をアピールすることではなく、すぐに次の技が出せる体制を整えることが正しい残心となります。
打った後の残心の心構え
打った後の残心の正しい心構えは次の通りです。
- 相手が反撃してきても動じない気持ちの準備
- 出した技が一本にならなかった時に、次の技が出せる気持ちの準備
次の技を出す体勢が整っていても、技を出すための気持ちが整っていなければ技は出せません。
次の技が出せる身構えに加えて、「いつでもかかってこい!」という心構えが整うことで、初めて打った後の残心が成立します。
打った後の残心を意識することで、試合でも油断や隙を突かれて逆に一本を取られてしまうのを防ぐこともできます。
打った瞬間の残心
打った後の残心が「相手に対して心を残すこと」であるのに対して、打った瞬間の残心は「自分の心を残さないこと」となります。
自分の心が残らないように、技を全力で出し切り、その場で技を決め切ることが打った瞬間の残心となります。
打った瞬間の残心を意識することで、「出した技が応じられるのではないか」という雑念や恐怖心がなくなります。
相手への恐怖心がなくなることで自分の得意技を思い切って出すことができ、試合を有利に展開することができます。
また、段や級の審査でも、全力で技を出し切ることができれば剣道の内容を高く評価してもらうことができます。
試合や審査でいい影響を与えることから、「打った瞬間の残心」を意識することは自分自身の剣道の質を高めることにもつながるのです。
まとめ
以上で、剣道の残心についてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
剣道の残心について少し理解できた気がします!
打った瞬間と打った後にそれぞれの残心があることがポイントだね!
自分の心を残さずに全力で技を出し、打突後は油断をせずに次の攻め合いのために心と体制を整えることが正しい残心となります。
正しい残心を意識しながら日々の稽古に取り組むことで、試合や審査でも通用する質の高い剣道を身につけることができます。
ぜひ、今回紹介した正しい残心を意識しながら、日々の稽古に取り組みましょう。
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