剣道は、身体の動きや精神の鍛錬を通じて、技術だけでなく人間性を磨くことができる武道のひとつです。
その中でも、剣道でよく使われる言葉には、深い意味が込められています。
剣道を学ぶ人にとって、これらの言葉は技術や精神面での修行を助け、強くなるための指針となります。
私、全然知らないので生徒に伝えることができないんですよ!
若い顧問はほぼ教えられないよね!
ということで、今回は、剣道でよく使われる格言や四字熟語20選をご紹介していきます。
剣道を学ぶ以外にも、日常生活やビジネスの場でも応用できる言葉が多くありますので、自己啓発や人間関係の向上にも役立てることができますよ。
この記事はこんな方におすすめ
・初めて剣道部の顧問になった
・自分の糧になる言葉を探している
- 剣道でよく使われる格言・四字熟語20選
- 一眼二足三胆四力(いちがんにそくさんたんしりき)
- 威風堂々(いふうどうどう)
- 遠山の目付(えんざんのめつけ)
- 勝ちに不思議の勝ちあり・負けに不思議の負けなし(かちにふしぎのかちあり・まけにふしぎのまけなし)
- 臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
- 剣心一如(けんしんいちにょ)
- 懸待一致(けんたいいっち)
- 交剣知愛(こうけんちあい)
- 克己心(こっきしん)
- 三殺法(さんさっぽう)
- 獅子奮迅(ししふんじん)
- 修文練武(しゅうぶんれんぶ)
- 守破離(しゅはり)
- 朝鍛夕錬(ちょうたんせきれん)
- 百錬自得(ひゃくれんじとく)
- 不撓不屈(ふとうふくつ)
- 不動心(ふどうしん)
- 文武不岐(ぶんぶふき)
- 明鏡止水(めいきょうしすい)
- 勇往邁進(ゆうおんまんしん)
- 剣道の格言・四字熟語のまとめ
剣道でよく使われる格言・四字熟語20選
一眼二足三胆四力(いちがんにそくさんたんしりき)
古人が説いた剣道修行における重要な教えには、以下の4つがあります。
一眼:相手を見抜く洞察力が最も大切であることを示しています。宮本武蔵は「観見二様の目付け」として、「観の目強く、見の目弱く」と教えています。
二足:剣道においては、足さばきが非常に重要であり、初心者は手先で打とうとしがちですが、足がその根本であるとされています。道歌には「立合いは竹刀で打つな手で打つな、胴造りして足で打て」とあるように、足が重要であることを示しています。
三胆:勇気や決断力が必要不可欠であることを表し、四戒と呼ばれる驚き・恐れ・疑い・懈怠を払拭し、決意を固めて挑戦する姿勢が求められます。
四力:技術力、体力、知力、経験力の4つの力が重要であることを示し、特に思い切った技を発揮するための身体能力が重要であることが強調されています。
威風堂々(いふうどうどう)
威厳があり堂々とした風格を備えた様子を表現する言葉です。
人物や物事の立ち振る舞いや様子が、力強く、壮大で、荘厳な印象を与える場合に使用されます。
また、勇壮な音楽や楽曲にも使われることがあります。
この言葉は、英語で “majestic” や “grand” といった言葉に相当します。
遠山の目付(えんざんのめつけ)
「遠山の目付」とは、剣道において相手との近距離での戦いにおいても、相手の全体を見るために用いられる視線の使い方です。
近距離での攻防戦においては、視界が狭くなり、視点が一箇所に集中してしまいがちですが、遠くの山を見るように相手を見ることで、相手の全体像を見ることができます。
このように相手の全体像が見えていると、相手の攻撃のタイミングや場所を把握しやすくなり、柔軟に対応することができます。
この「遠山の目付」を行うことで、剣道の技術向上につながります。
勝ちに不思議の勝ちあり・負けに不思議の負けなし(かちにふしぎのかちあり・まけにふしぎのまけなし)
この言葉は、江戸時代の大名で剣術の達人でもあった松浦静山の剣術書にある一節から引用されたものです。
その内容は、「試合で負けたときは、何の理由もなく負けたわけではなく、必ず負ける要素があったはずだ。一方、勝ったとしても、全てが完璧だと慢心することはできない。勝った場合でも、負けに繋がる要素が潜んでいるかもしれない」という意味です。
勝つためには、負けた原因を分析して、同じ過ちを繰り返さないように改善することが必要です。
また、勝ったとしても、自分自身を客観的に見つめ、改善の余地がある部分を改めることが重要です。
臥薪嘗胆(がしんしょうたん)
「薪を枕にして、苦い胆を嘗める」という言葉は、将来の成功を手にするためには苦労に耐える必要があることを表しています。
この言葉は、敗戦による恥辱を晴らし、仇を討とうとする武士の精神に由来しており、自分自身に労苦を課して苦難に立ち向かうことが必要であるという意味を持っています。
剣心一如(けんしんいちにょ)
剣道において剣と心が一つであることを表す言葉です。
つまり、剣の動きは自分の心の動きによって生まれ、剣を振るうことで自分の心が映し出されるという意味があります。
自分の技術を高めるためには、まずは自分自身の心を磨くことが必要であり、技術と心の両面からの鍛錬が大切です。
懸待一致(けんたいいっち)
「懸待の一致」とは、剣術において攻撃と防御が表裏一体であることを示した概念です。
「懸」は攻撃すること、「待」は防御することを意味し、攻撃を行っている時にも相手の反撃に備える気持ちを失わず、防御に回っている時には常に攻撃に転じる気持ちを持つことが大切だと教えています。
攻撃する技は、そのまま防御する技になり、防御する技はそのまま攻撃する技に変化できるように、常に準備と構えを整え、精神と体勢を整えることが重要です。
交剣知愛(こうけんちあい)
剣を交えることを通じて相手を知り、理解し、愛することを表す言葉であり、剣道における技術のみならず、相手との関係性、思いやり、感情の共有を重んじることを教えたものです。
剣道においては、相手の技を受け流すことで、相手の動きや心理を読み取り、自分の技に生かすことができます。
このように、剣を交えることで相手との理解と信頼を深め、互いに高め合うことができるという意味が込められています。
また、この言葉は、武道以外の人間関係においても、相手を理解し、思いやることの大切さを教えてくれる言葉としても広く知られています。
克己心(こっきしん)
克己心とは、自分自身の欲望や弱点に打ち勝つために、自己を律し続ける心のことを指します。
つまり、自分自身をコントロールし、自分の弱さや誘惑に負けずに、常に向上心を持って努力し続ける心を表します。
克己心は、剣道や武道において重要な心の一つであり、技を極めるために必要な心の根源ともされています。
また、スポーツやビジネスなどのあらゆる分野で成功を収めるためにも必要な心の一つです。
三殺法(さんさっぽう)
「三殺法」とは、剣道において相手の「気を殺す」、「竹刀・太刀を殺す」、「技を殺す」という3つの方法を指します。
気を殺すとは、自身が充実した気力を持って相手の気を崩し、攻めるという意味です。
竹刀を殺すとは、相手の竹刀を抑えたり払ったり、叩いたりして竹刀の自由な使い方を妨げることを指します。
技を殺すとは、相手の打ちに先手を取って乗ったり、はじいたりして、相手に攻撃の機会を与えないようにすることを指します。
獅子奮迅(ししふんじん)
「獅子奮迅」とは、勇猛果敢に戦うさまを形容した言葉で、獅子のように勇敢に奮起して敵に立ち向かう様子を表します。
また、「奮迅」とは、「気迅く振る舞うこと」を意味し、積極的に動き回り、激しく戦いを挑む姿勢を表現します。
この言葉は、スポーツや戦争など、激しい競技や闘いをする場面で用いられることが多く、困難な状況にあっても、勇敢に立ち向かう人の姿勢を称える言葉としても用いられます。
修文練武(しゅうぶんれんぶ)
「修文練武」とは、「文章を修め、武術を磨く」という意味を持つ言葉です。
この言葉は、文学や学問を修めることと武術を鍛えることが、人間の修行において同等に重要であるという考え方に由来します。
古代中国の儒家思想では、文治と武力の両方が国を治める上で必要であるとされており、これは日本にも受け継がれました。
日本では、武士としての身分や義務を果たすために、武芸を磨くだけでなく、漢詩や和歌などの文学を修めることも求められました。
このように、修文練武は、日本の伝統文化や武士道精神に深く根付いた思想であり、現代でも尚武の心を持ちながら学問や文化に親しむ人々が多く存在しています。
守破離(しゅはり)
「守破離」とは、武道や芸道において修練すべき過程や段階を表す言葉であり、師から教えを受ける者が取るべき姿勢や考え方を示しています。
具体的には、まずは師から教わった型ややり方を徹底的に「守る」ことが第一段階とされます。
次に、その型ややり方が身についたら、他の流派の型を研究し、自分自身にとって最も適したものを模索し、既存の型を「破る」ことが第二段階とされます。
そして最後に、既存の型と自分の考えた型の両方をバランスよく理解し、既存の型から「離れる」ことで第三段階に至ることが目指されます。
第三段階に到達すると、その人自身が新しい道を切り開くことができるようになります。
この「守破離」の言葉は、茶道家である千利休が言った「規矩作法守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」という言葉を基に、後世に「守破離」という言葉が生まれたとされています。
利休は、「守破離」の3つの段階を超えた後も、基本の型や本質を見失わないように注意するように戒めています。
朝鍛夕錬(ちょうたんせきれん)
「朝鍛夕錬」は、日々の修行を積み重ねることを表す言葉であり、朝から鍛錬(たんれん)をし、夕方になってもまだ鍛錬を続けることを指します。
武道や芸道の修行においては、継続的な努力と訓練が重要視されます。
そのため、「朝鍛夕錬」の精神は、日々の修行を怠らず、常に自己の向上を追求することを意味しています。
また、この言葉は、単に武道や芸道だけでなく、日常生活においても常に努力を怠らず、自己を磨き続けることが大切であることを表しています。
百錬自得(ひゃくれんじとく)
「百錬自得」とは、何度も繰り返し鍛錬を行い、自分自身で努力して苦労した結果、得られた知識や技術があるということを表すことわざです。
つまり、熟練した技術や知識を得るには、何度も何度も練習を繰り返し、長い時間を費やすことが必要であるということを意味しています。
また、自分自身で努力を重ねた成果を手に入れた喜びや達成感も含まれます。
不撓不屈(ふとうふくつ)
「不撓不屈」とは、困難や逆境にあっても、心を曲げずに、くじけずに最後まで立ち向かう強い意志や精神を表現する言葉です。
つらい状況に陥ったときでも、諦めずに努力し続け、結果を出し切る姿勢を指します。
この言葉は、自分の努力によって得られたものは、いかなる状況でも失われないという信念にも繋がっています。
不動心(ふどうしん)
「不動心」とは、心が揺るがない、動じない心のことを指します。
特に、困難や苦難が降りかかっても、自分の信念や目標を曲げずに堂々と立ち向かう強い意志や精神状態を表します。
また、「不動心」は、日常生活でも重要な心の持ち方です。
人生には様々な試練や困難がありますが、その中でも動じずに自分の信念を貫き、努力を続けることが大切です。
文武不岐(ぶんぶふき)
「文武不岐」とは、武道において技術のみならず、人間性や精神性も重要であることを示す言葉です。
武道においては技術的な修練のみならず、礼儀や心構え、精神面の鍛錬も欠かせないとされています。
一方、文芸や学問の分野でも同様に、技術や知識だけでなく、人間的な魅力や深い精神性も求められます。
このように、文と武は分けられるものではなく、相互に補完し合うものであるとされ、文武不岐の精神が大切であるとされています。
明鏡止水(めいきょうしすい)
「明鏡止水」とは、鏡のように物事を明確に映し出す心と、水のように心を静かに保つことを表す言葉です。
心が澄み切っている状態を指し、外部の邪念や感情に惑わされることなく、真実を見極め、的確な判断を下すことができる状態を指します。
また、水のように落ち着いていることから、落ち着いた心の持ち主としても表現されます。
この言葉は、仏教や禅宗の教えにも関連しており、修行を通じて心を清らかに保つことが大切であるとされます。
勇往邁進(ゆうおんまんしん)
「勇往邁進(ゆうおんまいしん)」とは、勇気を持って進み続けることを意味する四字熟語です。
どんなに困難や障害があっても、勇気を持って前に進んでいく姿勢を表現しています。
「勇往邁進」は、特に困難な状況に直面しても、諦めずに前に進む勇気と決断力を持った人を称える言葉として用いられることが多いです。
また、目標に向かって不断に努力を重ね、途中で挫折しない強い意志を持った人を表す表現としても使われます。
剣道の格言・四字熟語のまとめ
以上で、剣道でよく使われる格言や四字熟語20選をご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
結構いい言葉あるんですね!
部の手ぬぐいに入れたり、部の言葉として掲げてみたら?
剣道における格言や四字熟語は、剣道だけでなく人生においても役立つ智恵や教訓が詰まっています。
また、剣道でよく使われる言葉は、剣道に限らずスポーツやビジネスなど様々な場面で応用できるので、ぜひ剣道の言葉を自分の人生に取り入れ、より豊かな人生を送りましょう。
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