やるからには負けるより勝った方が良いに決まっていますよね。
勝たせたい!という気持ちはあるんですが、想像ができないんですよ!
ゴールが見えれば逆算できるからね!どの時期にどれくらいの選手になっていないといけないかを教えましょう!
と、いうことで今回は実際に筆者が初心者5人を引き連れて都道府県大会でベスト8まで進出した時の育成スケジュールを徹底的に解説していきます。
この記事はこんな方におすすめ
・剣道未経験顧問の皆様
・先を見通したい中学生剣士
- 都道府県大会ベスト8を目指す理由
- 3年間の育成スケジュール
- 1年生5月:最初が一番肝心
- 1年生6月:できるだけ早く防具をつけて稽古する
- 1年生7月:初めての公式戦を経験させよう
- 1年生8月:公式戦の敗戦を糧に体力をつける
- 1年生9月:新人戦で初めての勝利を味わう
- 1年生10月〜12月:練習試合で怖いものを教える
- 1年生1月〜3月:個性を尖らせる
- 2年生4月〜5月:市大会で上位入賞
- 2年生6月〜7月:3年生の意地を知る
- 2年生8月:決勝を戦い抜く体力づくり
- 2年生9月:新人戦は都道府県大会予選優勝
- 2年生10月:新人戦は都道府県大会は夏の練習
- 2年生11月〜3月:ベスト8級の学校と練習試合
- 3年生4月〜6月:圧倒的な力で都道府県大会予選を優勝
- 3年生7月:いよいよ本番!全てを出し切れ!
都道府県大会ベスト8を目指す理由
初心者でも戦える!と言っても勝負の世界はそこまで甘くはないのも現実です。
小学生から道場で必死に稽古してきたスーパースターを5人揃えたスーパー強豪校も、もちろんあります。
そのようなチームとの対戦では、よくても100回試合をして1回勝てるかどうかです。
ただ、スーパー強豪校は都道府県という大きな括りでも4校程度なんですよね。
残りの学校は、スーパースターが1人、良くて2人くらいいればいい方です。
つまり、ベスト8クラスの学校は必ず(ちょっと言葉は悪いが)穴があります。
その穴をうまくつき1勝をもぎ取り、スーパースターをなんとか引き分けで抑えることができればチームは勝てるのです。
ベスト8に入れば、さらに上位の大会への兆しが見えてくるので、モチベーションの維持にもつながります。
よって、都道府県大会ベスト8は現実的であり、3年間前のめりで部活動に取り組める最適な目標設定と言えます。
3年間の育成スケジュール
1年生5月:最初が一番肝心
入学式から1ヶ月経過し、仮入部も終わり、やっと部活動に取り組めるのが5月くらいです。
ここから始まる訳ですが、この一番最初が一番肝心と言っても過言ではありません。
なぜならば、この期間についてしまった癖は中学校の3年間では直すことが困難だからです。
絶対に癖をつけてはいけない部分
・竹刀の握り方
・踏み込み足
癖がつくと致命的なのは上記の2つのポイントです。
このポイントだけはしっかり意識させましょう。
この時期にできるようにすること
・正しい握り
・足捌き
・すり足
剣道は足で打つと言われるほど、下半身は大事です。
この時期から、しっかりと「足捌き」「すり足」を徹底していきましょう。
1年生6月:できるだけ早く防具をつけて稽古する
防具をつけるのはまだ早いんだぁ!
という、おじい先生もいらっしゃるとは思いますが、基本的な動作、素振り等ができるようになったのであれば、すぐに防具をつけ始めましょう。
中学校の部活動は時間がないのです。
この時期にできるようにすること
・面打ち
ひたすらメンを打ち続けましょう。
剣道の基本となるメンですが、メンがしっかり打てるようになれば、他の技の吸収も早くなります。
この時期は、稽古にも工夫をこらし、さまざまなメンを打つ稽古でとにかくメンを鍛えましょう。
1年生7月:初めての公式戦を経験させよう
部員の状況や大会のルールにもよりますが、夏の市大会の個人戦には1年生はデビューさせましょう。
勝てないのは当たり前の話で、とにかく出場することに意味があります。
緊張で泣いてしまう生徒がいるかもしれませんが、後々の良い思い出にもなることでしょう。
この時期の成長目安
1.0(何も打てない、多分、だが、それでいい)
*数値はMAX5.0で全国大会出場レベルが4.5〜4.7とする。
*最終的な目標は関東大会出場レベルの4.0〜4.2
1年生8月:公式戦の敗戦を糧に体力をつける
大会で決勝を戦うには体力が必要不可欠です。
夏休みの期間は、ひたすらメンと足を使う稽古を繰り返し、最後まで戦い抜ける体力をつけていきましょう。
この時期にできるようにすること
・面打ち
・連続面打ち
1年生9月:新人戦で初めての勝利を味わう
夏にしっかり稽古をしていると、市大会程度であれば活躍できる選手に育っているはずです。
ここで、初勝利をしっかり味わってください。
しっかり努力した結果が実るという経験は剣道のみならず、生徒のいろんな場面で助けてくれることでしょう。
この時期の成長目安
1.3〜1.5(勝ってグータッチしよう)
*数値はMAX5.0で全国大会出場レベルが4.5〜4.7とする。
*最終的な目標は関東大会出場レベルの4.0〜4.2
この時期は怖いもの知らずなので、試合でもガンガン行かせてあげましょう。
1年生10月〜12月:練習試合で怖いものを教える
怖いもの知らずでガンガン行けるのもこの時期までで、メンを打ってもコテを打たれてしまったり、ドウを抜かれてしまったりという経験をしてしまいます。
そうすると、打たれるのが怖くて、メンに飛び込めなくなってしまうのです。
しかし、この経験は次のステップに行くためには必要なものになるので、練習試合などをたくさん組むことによって早めに怖いものを教えてあげましょう。
この時期に、メンを打っても打たれてしまうから別の技を教えるのではなく、相手にコテやドウを打たれないようにメンを打つ方法がないかを考えさせてください。
この時期にできるようにすること
・メンを打つ前の攻め
・メンを打つ機会を理解する
1年生1月〜3月:個性を尖らせる
これくらいの時期になると、それぞれの剣道に個性が出てきます。
その個性を見極めて、必殺技になりそうな原石の技を磨いていきましょう。
稽古の中でも、自分が得意だと思う技を考えながら稽古する時間を与えていきます。
その癖は直さなきゃダメなんだ!
という、おじい先生もいらっしゃるかもしれませんが、その癖があるからこそ活きる技もあったりします。
その辺の見極めは難しい部分ではありますが、癖はついてしまったのであればプラスに利用する方が効率的です。
2年生4月〜5月:市大会で上位入賞
中体連としては春季大会をなくす方向で動いているとは思いますが、なんだかんだやるでしょう。
ここまでで、打てる技は少ないが個性が尖った選手が出来上がっているかと思いますが、それで大丈夫です。
同じ時期に始めた、平均的に稽古して、平均的な技しかもたないライバル校の生徒は全く苦にならないほどに成長していることでしょう。
まだ、上級生はいるものの、2年生のみのチームを組んで出場したとしても良いところまで行くはずです。
この時期の成長目安
2.4〜2.6(尖っているからこそ、勝てる)
*数値はMAX5.0で全国大会出場レベルが4.5〜4.7とする。
*最終的な目標は関東大会出場レベルの4.0〜4.2
2年生6月〜7月:3年生の意地を知る
3年生にとっては、負けてしまえば部活が終わってしまうという時期になってきます。
最後の大会にはしたくない!
と、大会にかける思いが違う3年生の意地を知る良い機会になります。
この時期に理解してほしいこと
・勝利に対する思いが強い方が勝つこと
2年生8月:決勝を戦い抜く体力づくり
都道府県大会でベスト8に入ろうとしたら、組み合わせで1回戦からスーパー強豪校と当たらないようにシードになることが必要不可欠です。
そして、シードになるためには都道府県大会予選では優勝が必須なのです。
決勝までは4〜5回は試合を重ねなければなりません。
せっかく決勝まで行ったのに、スタミナ不足で準優勝では悔やんでも悔やみきれません。
その辺の共通意識は生徒にもしっかり理解させた上で、体力づくりに励みましょう。
この時期のメニュー
・メンの連続打ち
・かかり稽古
・必殺技みがき
2年生9月:新人戦は都道府県大会予選優勝
とうとう、力を発揮する時が来ました。
市大会はもちろん優勝、都道府県大会予選も優勝し、負けなしで都道府県大会を迎えられるほどの力はついています。
しっかり勝ち切って、自信をつけましょう。
この時期の成長目安
2.9〜3.1(時代がきたっ!)
*数値はMAX5.0で全国大会出場レベルが4.5〜4.7とする。
*最終的な目標は関東大会出場レベルの4.0〜4.2
2年生10月:新人戦は都道府県大会は夏の練習
新人戦でしっかり夏の予行練習をしてください。
この時に、勝ち負けはもちろんですが、ベスト8に入ったチームはしっかり覚えておきましょう。
できれば、どのような選手がいるかまでデータをとっておきくと作戦が立てやすいですよ。
秋にベスト8に入ることができたのであれば、関東大会へはかなり近づきます。
この時期の成長目安
3.0〜3.1(経験を重視する)
*数値はMAX5.0で全国大会出場レベルが4.5〜4.7とする。
*最終的な目標は関東大会出場レベルの4.0〜4.2
2年生11月〜3月:ベスト8級の学校と練習試合
秋の大会で活躍すると、上位の学校しか呼ばれないような練習試合に呼ばれるようになります。
都道府県大会の準々決勝を想定して、近県のベスト8級が集まる練習試合には積極的に参加しましょう。
近いレベルの学校と試合をすることで、急成長する選手もたくさん出てきます。
この時期にできるようにすること
・必殺技の完成
3年生4月〜6月:圧倒的な力で都道府県大会予選を優勝
いよいよ勝負の時がやってきてしまいました。
この頃になると、これ以上技術をどうこうするよりも、より良い精神状態で大会に臨めるようにモチベーションをアップさせることを最優先に考えましょう。
自信を持って最後の都道府県大会を戦い抜くためにも、予選は全勝で突破するつもりで行ってきてください!
この時期の成長目安
3.5〜3.7(予選は優勝できる!)
*数値はMAX5.0で全国大会出場レベルが4.5〜4.7とする。
*最終的な目標は関東大会出場レベルの4.0〜4.2
3年生7月:いよいよ本番!全てを出し切れ!
今までやってきたことを会場で表現するだけです。
まあ、それが一番難しいんだけどね。。。
伸び伸び試合をさせてあげてください。
それで良いんです。
この時期の成長目安
3.8〜4.0(レベル的にはギリギリ!)
*数値はMAX5.0で全国大会出場レベルが4.5〜4.7とする。
*最終的な目標は関東大会出場レベルの4.0〜4.2
団体メンバーの成長目安
先鋒:3.9
次鋒:3.8
中堅:3.9
副将:3.8
大将:4.0
ここまできたら、あとは選手を信じるのみです。
それでは検討を祈ります!
以上で、実際に筆者が初心者5人を引き連れて都道府県大会でベスト8まで進出した時の育成スケジュールを徹底的に解説してきましたがいかがだったでしょうか。
ちなみに、関東大会にはいけたんですか?
決定戦で負けてしまって行けなかったんだ。。。
そうだったんですね、私が仇を取ります!
ありがとう!期待しているよ!
何度も言うように、中学校から初めてもここまでこれるのが剣道の面白いところです。
他の学校と同じことをやっていたら、平均以下の選手にしかなりませんのでしっかり考えてあげてくださいね!
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