どの競技でも共通ですが、剣道も試合中に禁止されている反則行為があります。

場外反則や竹刀落としは知ってますけど、他にも反則があるんですか?

他にもたくさんあるよ!中には失格となる重大な反則もあるんだよ!
試合では一本を取ることに集中しがちですが、反則を取られずに試合をすることも勝つためには重要です。
不要な反則を取られないように、しっかりと反則についての理解を深めましょう。
ということで、今回は剣道の反則についてご紹介していきます。
この記事はこんな方におすすめ
・初めて剣道部の顧問になった
・初めて剣道の試合に出場する予定の皆様
試合での反則とは?

試合での反則とは、全日本剣道連盟の試合審判規則細則で定められた禁止行為のことです。
反則には直ちに失格となるものと、反則が宣告されるものの2種類があります。
試合中に反則を2回宣告されると、相手に一本が与えられます。
せっかく試合を有利に進めていても、反則を繰り返し負けてしまうこともあります。
そのため「いかに不要な反則を取られずに試合を進められるか」ということが、試合で勝ち上がっていくためには重要なことになります。
反則の種類

試合審判規則細則で定められている、その他の禁止行為は次の通りです。
- 不正用具の使用
- 場外反則
- 竹刀落とし
- 暴力行為(足掛け・抱え込み・不当な押し出し・竹刀の叩き落とし)
- 不当な中止要請
- 相手の竹刀や自分の竹刀の刃部を触る・抱え込む
- 戦意のない行為
- 時間空費
- 不当な鍔競り合い・竹刀の肩掛け

ちょっと待ってください!反則の種類が多すぎじゃないですか?

確かに一覧にすると多く感じるかもね。
上記の中で、「不正用具の使用」は失格となる場合があります。
それ以外の反則は「反則1回」という宣告を受け、2回目の反則で相手の一本となります。
反則の判断基準

試合中の反則には「反則かどうか」を判断することが難しいものもあります。
不要な反則を避けるため、反則の判断基準についても覚えておきましょう。
不正用具の使用
剣道の用具は「防具」と「竹刀」の二種類に分けることができます。
防具についての規定は試合審判規則で次の図のように定められています。

また、竹刀についても長さや重さなどの細かい決まりがあり、中体連や高体連等の公式戦では竹刀計量が行われます。
竹刀規定については、別の記事で詳しく紹介しているのでぜひこちらも参考にしてください。
参考:剣道の正しい竹刀の選び方は?竹刀の種類や選び方を徹底解説!【超重要】
規格外の竹刀は不正用具とみなされ、試合で使用するとその場で失格となります。
一方、防具の違反は失格や反則とはなりませんが、審判から改善するように注意を受けることになります。
防具や竹刀の他にも、足袋などのサポーターについても各大会で規定が定められています。
サポーターの規則違反は不正竹刀と同じく失格となる場合がありますので、大会要項をよく確認しましょう。
場外反則
試合場の境界線よりも外側に出ると、反則となります。
場外反則の判断は次のように定められています。
- 片足が完全に境界線外に出た時
- 転倒時に体の一部が境界線外に出た時
- 境界線外を体や竹刀の一部をつけて体を支えた時
つまり、足のつま先が境界線に乗った状態であれば踵が場外に出ても反則にならないということになります。
試合で特に多い反則が場外反則ですので、試合場の中央で勝負することを意識しましょう。
竹刀落とし
自分が握っている竹刀が両手から離れると反則になります。
手から離れた竹刀が宙に浮いた後、床に落ちる前にキャッチできる場合もありますが、手から離れた時点で反則となります。
相手の竹刀落としを狙って相手の竹刀を叩き落とそうとする人もいますが、竹刀の叩き落としは次に紹介する暴力行為になるのでやめましょう。
暴力行為(足掛け・抱え込み・不当な押し出し・竹刀の叩き落とし)
試合中の暴力的な行為は反則となります。
暴力行為とみなされる内容は次の通りです。
- 足掛け・・・相手の足を払い転ばせる
- 抱え込み・・・相手に抱きつき身動きを封じる
- 不当な押し出し・・・会場の境界線付近で相手を押し場外へ出す
- 竹刀の叩き落とし・・・相手の竹刀を自分の竹刀で叩き落とす
これらの行為を意図的に行うと反則となります。
暴力行為によって場外に出た場合や竹刀を落とした時は、暴力行為を行った選手の反則となります。
試合は勝負事のため熱が入ってしまうこともありますが、冷静な気持ちで試合に臨みましょう。
不当な中止要請
試合中に手を上げることで中止要請をすることできますが、理由なく中止要請をすると反則になります。
中止要請として認められるものは「竹刀や防具の異常」や「ケガ・体調不良」等です。
試合を続けられない状況以外では、余計な中止要請をせず試合に集中しましょう。
相手の竹刀や自分の竹刀の刃部を触る・抱える
自分の竹刀の刃部や相手の竹刀を触ると反則となります。
試合中、自分の竹刀の中結が曲がっていることに気付いて刃部を触って反則をもらうケースが多いです。
竹刀の異常に気付いた場合は、主審に対して手を上げて中止要請をしてから竹刀を直すようにしましょう。
戦意のない行為
相手に背を向けて逃げたり転倒時にうつぶせにうずくまる体勢を取ると、戦意がないとみなされ反則となります。
勝つために一本を取りに行く姿勢で試合に臨んでいれば、戦意のない行為と見られることはありません。
試合に出るからには、正々堂々と一本を取りに行く気持ちで相手に向かっていきましょう。
時間空費
技を出さず守りを固めた状態を続けると、時間空費として反則となります。
時間空費の反則は、「先に一本を先取している時」と「団体戦でチームがリードしている時」に厳しく見られます。
時間空費は反則ですが、何とかリードを守りたいという場面もあるかと思います。
正攻法ではありませんが、リードを守りたい時は完全に守りを固めるのではなく、技を出したうえで接近して時間を使うようにしましょう。
不当な鍔競り合い・竹刀の肩掛け
不当な鍔競り合いは、時間空費にもつながるため反則となります。
不当な鍔競り合いと判断される基準は次の通りです。
- 裏交差でつばぜりをしている
- 相手の鍔に自分の拳をかけている
- 相手の肩に竹刀をかけて鍔競り合いをしている
不当な鍔競り合いとならないように、お互いの竹刀の左鎬が交差した状態で正しく鍔競り合いをしましょう。
まとめ
以上で、剣道の反則についてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。

反則の種類が多すぎて頭が痛くなってきました・・・。

正々堂々と勝負することを意識すれば不要な反則は受けないから安心して!
大会に出場する時、まずは失格とならないように道具の点検をするようにしましょう。
様々な反則を紹介しましたが、特に暴力行為による反則は正々堂々とした剣道とは言えません。
相手に敬意を払いつつ、自分の剣道の実力で勝負することを意識して試合に臨みましょう。

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