剣道の大会を運営するためには、審判の他に会場係が必要です。
会場係は大会の参加チームの中から手伝いを出すように依頼されることが多く、剣道を始めて間もない人でも会場係を任される可能性があります。

今度の大会でうちのチームから会場係を出すように指示されたんですけど、やったことがない子たちばかりなのでとても心配なんですよ!

時間の計り方や記録のつけ方ってやり方が分からないと不安だよね!
初めて会場係を任された人は不安でいっぱいだと思いますが、やることさえわかっていれば心配はありません。
事前にしっかりと会場係の仕事やそれぞれの係のやり方について予習しておきましょう。
ということで、今回は剣道の大会の会場係についてご紹介していきます。
この記事はこんな方におすすめ
・剣道未経験顧問の皆様
・剣道初心者の中学生・高校生
時計係

会場係には4つの仕事があり、各会場に3〜4人1組が配置され1人1役で仕事が与えられます。
そんな会場係の1つ目の仕事が時計係です。
時計係の仕事をまとめると次のようになります。
- 審判の「始め」の合図に合わせてストップウォッチをスタートする
- 審判の「止め」の合図に合わせてストップウォッチをストップする
- 試合の制限時間になったらホイッスルなどで審判に合図を送る
- 試合の時間が止まっているときは黄色い旗(時計係旗)をまっすぐあげる

要するに、時間を計るだけの簡単な仕事ですね?

いやいや、実は時計係は他の仕事と比べて一番集中力が必要な仕事なんだよ!
時計係は審判の「始め」「止め」の合図を見逃してはならないため、自分の会場の試合から目を離すことができません。
時計係を任された人が気を付けるべきポイントは次の4つです。
- 自分の会場の試合から目を離さない
- 主審の動きや合図を見逃さない
- 「止め」の時は時間を止めるが、「別れ」の時は時間を止めない
- 時計係旗は真上に向かってまっすぐあげる
時間を止めるタイミングが遅れてしまうと試合時間が伸びてしまい、試合の公平性が無くなってしまいます。
時計係を任された人は4つのポイントを意識しながら、常に緊張感をもって仕事をしましょう。
掲示係

会場係の仕事の2つ目が掲示係です。
掲示係の仕事は次の通りです。
- 自分の会場のトーナメント表や団体戦のオーダー表を掲示する
- 掲示しているトーナメント表や団体戦の対戦表に勝敗を記入する
- 試合の会場移動があった時はトーナメント表や団体戦のオーダー表を移動先の会場に届ける
試合の結果の掲示要領については、全日本剣道連盟の試合審判規則細則で次の図のように決められています。

補足
- 相殺・・・両者が同じタイミングで2回目の反則を宣告されたとき、反則一本とならず両者反則1回ずつの状態で試合が再開されること
- 判定勝ちと抽選勝ち・・・地方の大会で採用されることがある勝敗の決定方法のこと

掲示の方法って決めごとが多いんですね・・・!

掲示要領を知らない人がいきなり任されると難しい仕事なんだよ!
上記の掲示要領で試合結果を記録した図が次の通りです。


掲示要領と照らし合わせながら記録を見るとどんな試合だったかがよくわかりますね!
掲示されている記録は観客だけが見るものではなく、試合の経過を確認するために審判も見ています。
遠くからでもはっきりと見えるように大きな文字で正確に記入するように意識しましょう。
記録係

会場係の仕事の3つ目が記録係です。
記録係の仕事は次の2つになります。
- 試合の結果(有効打突や反則)を記録用紙に記録する
- 団体戦の場合は勝者数・取得本数を記録する

掲示係と記録係の違いってなんですか?

掲示係は審判や観客に向けた記録、記録係は大会運営者が試合結果を保存するための記録という違いがあるよ!
記録係が作成する対戦表も、掲示係で紹介した掲示要領に従って記録を作成します。
それに加えて、団体戦の記録をする場合は対戦表に勝者数、取得本数の記録も行います。
勝者数と取得本数の記録方法は次の通りです。
- 勝者数と取得本数を分数(下が勝者数、上が取得本数)で記録する
- 勝者数が多い方の分数を大きく丸で囲み、少ない方の分数を△で囲む
- 勝者数が同じ場合は取得本数の多いほうを丸、少ないほうを△で囲む
- 勝者数と取得本数が同数の場合でリーグ戦など引き分けがある場合は両方□で囲む
このように勝者数と取得本数を記録することで、どちらのチームが勝ったかを一目で確認することができます。
各会場の記録係が作成した対戦表を大会運営本部に集めることで、すべての試合結果を効率よく保存できる仕組みとなっています。
また、中体連やインターハイ等の規模が大きい大会の場合、ウェブサイトで結果速報が配信されることがあります。
記録係が作成した対戦表は、結果速報の配信内容としても活用される重要な記録であることも一緒に覚えておきましょう。
選手係

会場係の仕事の4つ目が選手係です。
選手係の仕事は次の3つです。
- 次の試合の選手を呼び出す
- 会場移動の時に選手を別の会場に誘導する
- 試合に出る選手の用具を点検する

他の係と比べると仕事が少ないような気がしません?

確かに・・・。大会によっては掲示係が選手係を兼務することもあるよ!
選手係の主な仕事は次に試合する選手を呼び出し、すぐに試合が始められるように待機させることです。
選手係が気を付けるべきポイントは3つです。
- 自分の会場の試合の進み具合を常に確認する
- 会場移動の放送が流れないか常に気をつける
- 次の試合者が正しく赤・白の目印をつけているか確認する
特に、目印のつけ間違いは初心者の多い大会ではよく発生します。
トーナメント表の名前の前に記載されている数字が小さい方が赤となります。
毎試合目印のつけ間違いがないかをしっかり確認しましょう。
まとめ
以上で、剣道の大会の会場係についてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。

会場係が何をすればいいのか分かりました!やることさえ分かれば安心して生徒に任せられそうです!

会場係は自分の会場の試合に集中することになるからとてもいい見取り稽古にもなるよ!
大会の会場係はまだ試合に出られない控え選手や初心者の部員が任されることが多いです。
試合に出られない悔しさもありますが、強い選手の試合を間近で見られるため悪いことばかりではありません。
また、試合に出ている選手は経験できない、大会の運営に直接かかわるという経験を得ることができます。
大会の会場係を任された時は、今回紹介した仕事内容を参考にしながら大会を成功に導くためにしっかりとお手伝いしましょう。

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