剣道を続けていく上で、大会での実績と同じく大きな目標となるものが段位の取得です。

段や級を取得することってやっぱり重要なんですか?

実は大会でいい結果を出すことと同じくらい重要だよ!
剣道の段は、進学の際に作成する入学願書にも記載することができる立派な資格です。
そのため、少しでも上の段を取得したいと感じる人も多いかと思います。
しかし、段審査を受けるためにはいくつかのルールに気を付ける必要があります。
ということで、今回は剣道の称号や段級位のルールについてご紹介していきます。
この記事はこんな方におすすめ
・剣道未経験顧問の皆様
・段の取得を目標にしたい中学生・高校生
剣道段位の受審条件

それでは早速、剣道の段審査を受審するための条件を紹介します。
段位別の受審資格
剣道の段位は初段から始まり二段、三段・・・と数字が大きくなるごとに上位の段となります。

現在は八段が剣道の最高段位だよ!
剣道の段位取得には2つのルールがあります。
- 初段から順に取得する必要がある。
- 段の取得後、次の段の審査を受けるには一定期間の修業期間が必要となる。

段を取ってもすぐには次の段の審査を受けることはできないんですね!
それぞれの段審査を受審するための条件は次のように定められています。
- 初段 一級受有者で、満13歳以上の者
- 二段 初段受有後1年以上修業した者
- 三段 二段受有後2年以上修業した者
- 四段 三段受有後3年以上修業した者
- 五段 四段受有後4年以上修業した者
- 六段 五段受有後5年以上修業した者
- 七段 六段受有後6年以上修業した者
- 八段 七段受有後10年以上修業し、かつ、年齢46歳以上の者
以上のように、昇段審査を受けるためには段を取得してから一定の期間を空ける必要があります。
剣道経験者が中学・高校卒業までに取れる段位
結論から言うと、剣道経験者であれば中学生は二段、高校生は三段まで取得することが可能です。
早い人では、中学1年生で初段を取得することが可能です。
中学1年生で初段を取得した場合、高校卒業までの昇段審査受審スケジュールは次の通りになります。
- 中学1年生 初段取得
- 中学2年生 二段審査受審
- 高校1年生 三段審査受審
四段審査を受けるためには、三段を取得して3年経過する必要があります。
上記最短スケジュールで昇段した場合だと四段審査を受けられるのは高校を卒業した年の翌年になります。
剣道未経験者が中学・高校卒業までに取れる段位
一方で、中学校や高校への入学と同時に剣道を始めた初心者の場合、卒業までの3年間で取得できる最高段位は二段です。
高校入学と同時に剣道を始めた場合、経験者と初心者で取得できる最高段位に差が出てしまいます。
しかし、中学校入学と同時に剣道を始めた場合は、取得できる最大の段位が経験者と同じ二段となります。
初心者であっても経験者に段位で追いつくことは可能なので、自信を持って取り組んでいきましょう。
昇段審査の内容

昇段審査の内容は大きく分けて、「実技」・「日本剣道形」・「学科」の3科目に分かれています。
また、受審する段によってもそれぞれの科目の内容が異なります。
実技試験の内容
実技試験は、立ち合い形式(対戦形式)での試験となります。
審査を受ける地域によっては、切り返しや打ち込み稽古の実技が行われる場合があります。
立ち合い形式での試験となりますが、勝敗よりも「正しい着装と礼法」や「適正な姿勢」等が重要な着眼点となっています。
日本剣道形試験の内容
日本剣道形試験では、受審段位によって次のように審査本数が異なります。
- 初段 太刀の形 3本
- 二段 太刀の形 5本
- 三段 太刀の形 7本
- 四段~ 太刀の形 7本 小太刀の形 3本
以上のように、三段までは太刀の形のみですが、四段審査からは全ての本数の試験があります。
学科試験の内容
学科試験は、受審する地域によって実施方法が様々ですが、レポート形式で出題されることが多いです。
また、試験を受けるタイミングも受審地によって異なります。
受審会場で試験を受けるのか、事前に公開された問題を解いて受審時に提出するのかは審査要項をよく見て確認しましょう。
段位別合格率

一般的な段位別の合格率は次のようになります。
- 初段:90~80%
- 二段:80~70%
- 三段:70~60%
- 四段:60~50%
- 五段:50~40%
- 六段:約30%
- 七段:約20%
- 八段:約1%
初段から三段までは比較的高い合格率となっています。
このことから、剣道未経験者でもしっかりと努力することで段を取ることができることがわかりますね。
ただし、初段から五段までは各地域の剣道連盟が審査を実施するため、合格率は地域によって差があります。
剣道の称号とは

剣道には段級位の他に「称号」と呼ばれる資格があります。
称号には、「錬士」・「教士」・「範士」の3つの称号があり六段を取得した後から受審することができます。
称号審査は所属する剣道連盟の推薦を得た人が受審することができ、学科審査を受けることで取得することが可能です。
それぞれの称号審査の受審資格をまとめると次の通りになります。
- 錬士 六段受有者で、六段受有後、別に定める年限を経過し、地方代表団体の選考を経て地方代表団体の長から推薦された者教士
- 錬士七段受有者で、七段受有後、別に定める年限を経過し、地方代表団体の選考を経て地方代表団体の長から推薦された者
- 範士 教士八段受有者で、八段受有後、8年以上経過し、地方代表団体の選考を経て地方代表団体の長から推薦された者、又は全剣連の会長が適格と認めた者
称号審査を受けるためには、各地域団体の長から推薦をいただく必要があります。
そのため、錬士・教士・範士の称号は、高段位にふさわしい技量に加えて、指導実績や各地域の団体への高い貢献度を兼ね備えた人に与えられる資格と言うことができます。
昇段審査のコツ

勝敗を競う試合とは違い、昇段審査では「その段にふさわしい技量や知識を持っているか」ということに注目されます。
各段ごとの試験内容は毎年同じ内容となりますので、しっかりと対策を立てることで合格に近づくことが可能です。
先述した3つの科目ごとに、昇段審査で合格するためのコツを紹介していきます。
実技試験のコツ
実技試験のコツは、「審査員が注目するポイントを理解して試験に臨むこと」です。
特に初段から三段の審査で審査員が注目しているポイントは次の4つです。
- 正しい着装と礼法
- 適正な姿勢
- 基本に則した打突
- 充実した気勢
このポイントを踏まえて考えると、合格しやすい人の特徴は次のようになります。
- 剣道着や袴がジャストサイズで着こなせている
- 礼の仕方や蹲踞などの所作が美しくできている
- 相手の技を無理にかわそうとせず堂々と竹刀を構えている
- 相手から逃げずにまっすぐと技を出すことができている
- とにかく元気よく声が出せている
このように審査員がどこに注目しているかを押さえることで、何を意識して審査に臨めばいいかがはっきりと分かります。
合格しやすい人の特徴5つを意識して審査に臨むことが、合格するための重要なコツです。
礼法や蹲踞などの所作を美しくする方法は別の記事でも紹介しているから参考にしてね!
参考:剣道の礼法と作法とは?立合や稽古中の礼法やマナーもしっかり解説!
日本剣道形のコツ
日本剣道形のコツは、「堂々とした態度で審査に臨むこと」です。
1組ずつ審査員の前で立ち合いを行う実技試験と違って、剣道形の試験は複数の組が同時進行で一斉に審査を受けます。
そのため、審査員が1組ずつ剣道形の動作を細かく見ることが難しい場合が多いです。
したがって、自信なさげに審査に臨むよりも、堂々とした態度で審査に臨む方が悪目立ちせずに済むのです。
「間違ったらどうしよう」という雑念を捨てて堂々と審査員に剣道形を披露することが剣道形審査での重要なコツです。
学科試験のコツ
学科試験については、審査会場によって実施方法が異なることから絶対的なコツは存在しません。
しかし、検索サイトで自分が受審する段の学科試験について検索するとたくさんの解答例を見ることができます。
試験問題が事前に公表される場合や、事前に解答して審査当日提出する場合は試験問題の解答例を検索して解答しましょう。
まとめ
以上で、剣道の称号や段級位のルールについてご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。

剣道初心者でも卒業までに二段が取れるんですね!

そうだね!段の取得は実力に関係なく誰でも目指すことができる目標と言えるね!
段審査の受審条件や合格率から考えると、中学校や高校の卒業までに二段を取得するという目標は剣道未経験者でも十分実現可能な目標です。
さらに、昇段試験合格という明確な目標をもつことで、より高いモチベーションで稽古に取り組むことできるため、上達スピードの向上にもつながります。
ぜひ、日々の稽古の集大成として段審査へ挑戦してみましょう!

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